古書店・猫目堂

実在しない古書店。でも確かな想いを綴り、ここに置いてゆきます。

【猫目堂店主のオススメ書籍②】

だいぶ寒くなってきましたね。

部屋を暖かくして、コタツで読書など如何でしょう?


店主はファンタジーもの(小説でもゲームでも)が大好きなのですが、今回は海外のファンタジー小説をご紹介させてください。



バーティミアス サマルカンドの秘宝】
(ジョナサン・ストラウド 著)


ロンドンを舞台に、魔術師(見習い)の少年と、彼によって喚び出された妖霊(悪魔のようなもの)によって物語が綴られていきます。

この妖霊("ジン"という存在。"悪魔"と呼ばれるのは好まないようです)がバーティミアス
召喚主の少年(ナサニエル)とは本来主従の関係にあります…

…が、この妖霊、かなりのクセ者。
命令をしぶしぶ受け入れつつも、隙あらば反撃しようと企みます。

見習いで弱腰、しかし目的のため虚勢をはるナサニエル

命令に従いながらも、主人をどこか小馬鹿にした態度のバーティミアス

二人(?)の対比がまず面白い♪


舞台も近代のロンドンとなってますが、魔術師たちが政治や社会に大きく影響し、その力を振るっている世界。

バーティミアスナサニエルの命令で、とある魔術師のもとから秘宝を盗んでくるよう命じられます。
この「命令」を果たすまで、バーティミアスは自由の身になれません。
そのプライドの高さゆえ、余計なトラブルを巻き起こしながら(ときに悪態をつきながら)様々な魔法を駆使し、変身の魔法で色々な生き物へと姿を変えながら、任務を果たすためロンドンの街を奔走します。

本文は主にバーティミアスの視点で進んでいきますが、所々に彼による"注釈"が入ります。
(魔法的なものごとに対しての解説や、彼自身の感想、悪態なども 笑)
本文の下段に並行して書かれているため、一緒に読み進めることができるので読みやすいと思います。


本来恐れるべき存在の彼ですが、これがまたなんとも人間クサいのです(笑)
偏屈な人間の魔術師なんかより、ずっと人間クサいです。うん
感情移入してしまう事間違いなしでしょう!
物語のテンポも良いです



この物語【バーティミアス】シリーズは第一部【サマルカンドの秘宝】から始まり、三部構成になっています。

バーティミアスのドタバタに加え、若き魔術師ナサニエルの成長も見どころです。


ぜひ読んでみて下さいね!(^^♪